皆様はじめまして、ママリーゼと申します。広汎性発達障害を持つ長男、経過観察中の次男を育てています。
広汎性発達障害(こうはんせいはったつしょうがい、英: pervasive developmental disorders, PDD)とは、特異的発達障害(英語版)との対義であり、社会性の獲得やコミュニケーション能力の獲得といった人間の基本的な機能の発達遅滞を特徴とする、5つの精神と行動の障害のグループである。(Wikipediaより引用)
4月2日は、「世界自閉症啓発デー」。発達障害啓発週間にもあたるそうです。
本記事は、尊敬するアルファブロガー・なないおさんの呼びかけに対するコラボ企画です。専門家でもない自分にできることってなんだ、と迷いながらも…つたない経験を書きつけることで、1ミリでもお役に立てればと願っています。
なないおさんの記事は上記からどうぞ。
■突然ですが、質問です
Q.雨の日に、傘を置き忘れたことはありますか?
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A.もちろん。
A.バタバタしていると、どうしてもね~
A.誰だってよくあることよ
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なるほど、なるほど。お答えをありがとうございます。
お気に入りの傘ならまだ大丈夫だけれど、コンビニで購入した間に合わせの透明なアレはついつい…ですよね~。人間なら、誰だってうっかりしますしね。うん、最近の日本は厳しすぎる!おおらかに行こう!…では、これならばどうでしょう?
Q.傘を忘れず持って帰れたこと、「人生で」30回以上ありますか?
■私たち親子が見ているもの
傘を忘れずに持ち帰れるか否か?そんなの当たり前?素晴らしい。
何を隠そう、私は
傘を忘れず持ち帰れた経験が、人生において、恐らく30回にも満たない逸材です。少なくとも、50回には達していないはず。
大量の折りたたみ傘やビニール傘、祖母が買ってくれた美しいレース傘…立ち寄った先々で無くしまくってきました。何本闇に葬ったか、考えるのも嫌なくらいです。帰り道、どしゃぶりならさすがに思い出します。小雨じゃ、9割方忘れています。なので推定、30~50回。
どうしてそんなことになるのかって?
悩んだり
連想したり
目を奪われたり。
そんな事柄が、日常に幅をきかせすぎて。傘の存在なんか覚えておくメモリは、脳みそにほとんど残ってないからなんです。
自分がマイノリティだとは、考えたことがありませんでした。長男が発達障害の診断を受け、その特性を学びはじめるまでは。しかし私が持つ傾向は、決して多数派ではないようです。
長男は私に似たのかもしれません。
もちろん、彼と私は違う人間です。私自身は診断も受けていません。
しかし長男のサポートにおいて、私の人生における類似イベントを思い起こし分析することは、有効な手立てとなりました。長男の困りごとを「見える化」しやすくなるのです。とりわけ子供の父であるわたしの夫にとって、私の記憶や経験・思考の傾向は、長男を理解する手助けとなったようです。
長男のライフハックに、私の人生経験を活かすこと。
この記事においても同じです。私が果たせる、唯一の役目かなと考えました。
■すべてが消える超魔術「過集中」
私と長男の身に起きがちなエピソードを、もうひとつだけ。
例えば自宅でふと「缶コーヒーが飲みたいな」と思いつき。ポッケに小銭だけ入れて。マンションのエレベーターに、フットワーク軽く乗ったとして。
エレベーターの個室内で突然、
星野源が人気らしいな
と思いついたとします。
私は全く我慢できません。急いでiphoneを取り出し(いつ何時も携帯するiphone)、星野源をグーグル検索します。
(うわー、たたずまいが良いよな星野源って。アルバム今度借りてこようかな、あっ全国ツアーやってるじゃん!なんだって、瞬時にチケット売り切れとは…残念無念。才能あるんだなあ、何歳だっけ、ゲッ 私よりずっと年下かよ~頑張ってるなあ…)
呆然とエレベーターを降りるも、頭の中は星野源でいっぱい。
視界に映るマンションのエントランスは、リアルな書き割りにすぎません。フラフラと道路へ出る間も、情報は洪水のようにiphoneから吸収され続けます。星野源、ホシノゲン…慣性でいつもの自動販売機前へ進み、ポッケの小銭をジャラジャラ取り出します。そして、全てを忘れていることに気づきます。
あれ? 私、何買うんだっけ?
■きっと、そんな気持ち
さて皆さん、私という人間について…どのような印象を持たれましたでしょうか。
★帰り際に必ず、傘を確認すればいいだけでは?
☆そんな些細なことに、なぜ強くこだわるの?
★だらしがない…☆言い訳多すぎでしょ~
皆がまんしていることなのに、何故やらない?
ご意見、痛いほどわかります。ルーズな甘ったれと評されて40年の私です。社会性とは、協調とはそういうことからできている。よく知っています。
一方で私は、長男のかつての言葉を忘れることができません。
「みんなに合わせたほうがいいのは、ちゃんとわかってる。何でかわからないけど、どうしてもできないんだ」
もし、みなさんの周りに、発達障害を抱える人がいたら。
ちょっとだけ想像してみてもらえたら、とても嬉しいのです。
【彼(彼女)は、ふつうより少し敏感すぎるかもしれない。】
そのせいで、大切なものごとを見逃したり聴き逃したり、やらかしがちかもしれない。だからこそ彼(彼女)は、情報不足で不安だらけの日々かもしれない。真っ暗闇の中を、手探りで歩くように怯えているかもしれない。
【悲しくてやりきれないかもしれない。】
それを表現する手立てがなくとも。
【何もわかっちゃいないように見えて、本当はちゃんと分かっているかもしれない。】
批判されつま弾かれそうな恐怖をひしひしと抱えているかもしれない。それでも衝動が大きくて、波に飲み込まれるように抗えないだけかもしれない。
彼らは、彼らなりの道筋を通って学んでいく、ということ。その可能性を信じること。
発達障害は、その特性(現れ方)に大きな幅を持つ障害と言われています。私と長男がそうだからと言って、すべての発達障害児・発達障害者にあてはまるとは限りません。
それでも、やっぱり伝えたい。
社会とのズレに苦しみ、周囲に不思議がられ、それでも適応しようと努力しています。決して上手くいっていなくても、得られる情報を総動員して、できるかぎり努力を重ねていると思います。
みんな精一杯、努力しています。
人と人をつなぐ輪が、きれいにぱちんと閉じますように。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
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